西鳥賊
――…天使かと、勘違いしたものだ。
私は特に何をしている訳でも無い。
ただ今の生活に不自由すること無く、友人や隣人とともにのんびりと日々を過ごしていた。
こちらに越す前は住職だったこともあり些か頼まれ事などは多かったが、私に出来ることならばと積極的にしていたところ、今ではここらに住んでいるほとんど全ての方々に顔を知られてしまった。
…そう、私はここに越してきた身分なのだ。
知り合いなど一人もいないこの村で、初めはどうしたものかと苦笑したのを覚えている。
そんな私に声をかけてきたのは、彼であった。
今では特に仲の良い友達だ。
…彼が私にそうしたように、私も誰かにとっての『彼』になりたいものだ。
ある日、村での生活には随分と慣れていた時。
ガーデンでお茶を楽しんでいた私の頭上から、『あの子』が舞い降りてきたのだ。
ゆっくり、ゆっくりと、宙に浮いた身体が降りてきたのだ。
私は、てっきり天使か何かだと思ってしまった。
それほどまでに神聖的な雰囲気を纏っていたのだ。
…私は、この子にとっての『彼』になれるだろうか。
結論を挙げてしまえば、それは多分無理だった。
この子は天使でも、ましてや悪魔でもない、ただの――…
「…起きたかい?どこか痛いところとか、無いかい?」
「………。…どこだここ…誰だよアンタっ」
「ああすまない、名乗っていなかったね。私はウェスト。気絶していた君をこの私の家で介抱していたんだ」
「………」
「…良かったら君の名前を教えて貰えないかな。呼び名に困るからね」
「……BB。好きなように呼べばいいだろ!」
ただの、寂しがりなビビなんだ。
私は特に何をしている訳でも無い。
ただ今の生活に不自由すること無く、友人や隣人とともにのんびりと日々を過ごしていた。
こちらに越す前は住職だったこともあり些か頼まれ事などは多かったが、私に出来ることならばと積極的にしていたところ、今ではここらに住んでいるほとんど全ての方々に顔を知られてしまった。
…そう、私はここに越してきた身分なのだ。
知り合いなど一人もいないこの村で、初めはどうしたものかと苦笑したのを覚えている。
そんな私に声をかけてきたのは、彼であった。
今では特に仲の良い友達だ。
…彼が私にそうしたように、私も誰かにとっての『彼』になりたいものだ。
ある日、村での生活には随分と慣れていた時。
ガーデンでお茶を楽しんでいた私の頭上から、『あの子』が舞い降りてきたのだ。
ゆっくり、ゆっくりと、宙に浮いた身体が降りてきたのだ。
私は、てっきり天使か何かだと思ってしまった。
それほどまでに神聖的な雰囲気を纏っていたのだ。
…私は、この子にとっての『彼』になれるだろうか。
結論を挙げてしまえば、それは多分無理だった。
この子は天使でも、ましてや悪魔でもない、ただの――…
「…起きたかい?どこか痛いところとか、無いかい?」
「………。…どこだここ…誰だよアンタっ」
「ああすまない、名乗っていなかったね。私はウェスト。気絶していた君をこの私の家で介抱していたんだ」
「………」
「…良かったら君の名前を教えて貰えないかな。呼び名に困るからね」
「……BB。好きなように呼べばいいだろ!」
ただの、寂しがりなビビなんだ。
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