トーチさんかっこいい【長いよ!】
「くそっ…空也!ホノカ!戻れ!」
「ちょ、待…」
抗議の声をあげる空也を無視して雑煮はモンスターボールを二つ放り投げた。
ぽん、と音がしてモンスターボールが空也とホノカの体に当たり、あっと言う間に二人はボールの中に収まった。
戻って来たボールをぱしっと握る。
雑煮は冷や汗をかきながら苦々しい表情を浮かべて、急いでボールを鞄の中に放り込んだ。
「リーヤ!」
「…ッ、雑煮さん、捕まって下さい!」
ラオパリヤの声と同時に、走っている雑煮の目の前に手が差し延べられた。
躊躇すること無く雑煮はその手をがつっと握る。
「行きますよ!」
危機迫ったようなラオパリヤの掛け声。
と、同時に4つの翼が勢い良く羽ばたき始め、すぐにラオパリヤと雑煮は宙に浮かんだ。
その真下をトーチが駆ける。
「あの…トーチは一緒に飛ぶかボールに入れるかしなくて大丈夫なんですか…?」
ラオパリヤが心配そうに雑煮へ尋ねた。
「他人の心配をするくらいならせいぜい自分の身を護ることだな!」
「…だってさ」
ラオパリヤの問い掛けにすかさずトーチ本人が答え、雑煮は苦笑する。
そうですね、と同じくラオパリヤも苦笑した。
ずん、と大地が鳴った。
「来るぞ!!」
トーチが叫んだ。
その叫び声に被さるようにして、地面が連続してずん、ずん、と鳴り始める。
それは段々と加速していき、やがて激烈な揺れと地鳴りを伴う地震へと変化した。
「トーチ!大丈夫?!」
上空にいる雑煮が、地上を駆け抜けるトーチへと大声で安否を尋ねた。
地上は激しい揺れのお陰で土埃がこれでもかと言うほど舞っている。
上空からでは地上がどのような状態になっているのか見ることが出来ないのだ。
突然、土埃が割れた。
「このくらい平気に決まってるだろうが!ナメるな!」
土埃の割れた中に仁王立ちしているのは傷ひとつついていないトーチだった。
先程と違うのは、右手に緑色の剣を持っていること。
不意にトーチがその剣を上空のラオパリヤへと向ける。
「下りてこい!もう収まった!今度はこっちの番だ!」
「…はい!」
雑煮がラオパリヤの顔を見て微かに微笑み、何かの合図のように頷いた。
ラオパリヤは仮面の下で緊張した面持ちを浮かべながら地上へと足を着ける。
その様を見ていたトーチが不意に雑煮へと視線を向けて、小さく呟いた。
「……邪魔だな」
「何だよやぶからぼうに!!…まあ、確かに僕がいたら邪魔だね。いいよ、僕はここにいるから!二人に託す!」
「え…雑煮さん、ここも危険ですよ!また地震を起こされたら…」
「起こさせる前に止めればいい話だ」
「……そうですね…」
トーチに一蹴されてラオパリヤは口をつぐんだ。
「それにしても、この組み合わせでバトルするのは初めてじゃない?」
「そうですね」
「暢気なことを言っている場合か!!行くぞ!」
「わ、待って下さいトーチ!…雑煮さん、行ってきます!」
一人でどんどん進んで行くトーチを慌てて追いかけるラオパリヤ。
「行ってらっさーい」
雑煮は適当に返事を返した。
「いいか。少しでも油断をしたら負ける。肝に命じておけ」
「分かりました。今は敵です、全力で戦います」
「惑わされるな」
「大丈夫です」
「あいつは今までのジムリーダーなんかとは全然違う。桁違いの強さだ。二人でかかっても正直勝てる気がしない」
「そ、そういうこと、あんまりきっぱり言わないで下さい…」
「だから作戦を立てた」
「作戦、ですか?」
「貴様は素早いことだけが取り柄だ。その素早さを活かして先制攻撃して怯ませろ。後は一撃に賭ける」
「……さ、さらりと言いますね…勝てますでしょうか」
「勝つ」
「…トーチを信じます。私がもしやられたとしても絶対に勝って下さい。これは意地です」
「分かった。…『ミウシュ』の元へ、行くぞ!!」
−私は早く自由になりたい−
*****
ミウシュときららがまだ仲間になる前、ミウシュを仲間にするお話
書いてて思ったんだけど1軍って全員ミウシュに弱い件/(^∀^)\
この二人も吹雪やられたら一発で倒れるもんな(;´U`)
「ちょ、待…」
抗議の声をあげる空也を無視して雑煮はモンスターボールを二つ放り投げた。
ぽん、と音がしてモンスターボールが空也とホノカの体に当たり、あっと言う間に二人はボールの中に収まった。
戻って来たボールをぱしっと握る。
雑煮は冷や汗をかきながら苦々しい表情を浮かべて、急いでボールを鞄の中に放り込んだ。
「リーヤ!」
「…ッ、雑煮さん、捕まって下さい!」
ラオパリヤの声と同時に、走っている雑煮の目の前に手が差し延べられた。
躊躇すること無く雑煮はその手をがつっと握る。
「行きますよ!」
危機迫ったようなラオパリヤの掛け声。
と、同時に4つの翼が勢い良く羽ばたき始め、すぐにラオパリヤと雑煮は宙に浮かんだ。
その真下をトーチが駆ける。
「あの…トーチは一緒に飛ぶかボールに入れるかしなくて大丈夫なんですか…?」
ラオパリヤが心配そうに雑煮へ尋ねた。
「他人の心配をするくらいならせいぜい自分の身を護ることだな!」
「…だってさ」
ラオパリヤの問い掛けにすかさずトーチ本人が答え、雑煮は苦笑する。
そうですね、と同じくラオパリヤも苦笑した。
ずん、と大地が鳴った。
「来るぞ!!」
トーチが叫んだ。
その叫び声に被さるようにして、地面が連続してずん、ずん、と鳴り始める。
それは段々と加速していき、やがて激烈な揺れと地鳴りを伴う地震へと変化した。
「トーチ!大丈夫?!」
上空にいる雑煮が、地上を駆け抜けるトーチへと大声で安否を尋ねた。
地上は激しい揺れのお陰で土埃がこれでもかと言うほど舞っている。
上空からでは地上がどのような状態になっているのか見ることが出来ないのだ。
突然、土埃が割れた。
「このくらい平気に決まってるだろうが!ナメるな!」
土埃の割れた中に仁王立ちしているのは傷ひとつついていないトーチだった。
先程と違うのは、右手に緑色の剣を持っていること。
不意にトーチがその剣を上空のラオパリヤへと向ける。
「下りてこい!もう収まった!今度はこっちの番だ!」
「…はい!」
雑煮がラオパリヤの顔を見て微かに微笑み、何かの合図のように頷いた。
ラオパリヤは仮面の下で緊張した面持ちを浮かべながら地上へと足を着ける。
その様を見ていたトーチが不意に雑煮へと視線を向けて、小さく呟いた。
「……邪魔だな」
「何だよやぶからぼうに!!…まあ、確かに僕がいたら邪魔だね。いいよ、僕はここにいるから!二人に託す!」
「え…雑煮さん、ここも危険ですよ!また地震を起こされたら…」
「起こさせる前に止めればいい話だ」
「……そうですね…」
トーチに一蹴されてラオパリヤは口をつぐんだ。
「それにしても、この組み合わせでバトルするのは初めてじゃない?」
「そうですね」
「暢気なことを言っている場合か!!行くぞ!」
「わ、待って下さいトーチ!…雑煮さん、行ってきます!」
一人でどんどん進んで行くトーチを慌てて追いかけるラオパリヤ。
「行ってらっさーい」
雑煮は適当に返事を返した。
「いいか。少しでも油断をしたら負ける。肝に命じておけ」
「分かりました。今は敵です、全力で戦います」
「惑わされるな」
「大丈夫です」
「あいつは今までのジムリーダーなんかとは全然違う。桁違いの強さだ。二人でかかっても正直勝てる気がしない」
「そ、そういうこと、あんまりきっぱり言わないで下さい…」
「だから作戦を立てた」
「作戦、ですか?」
「貴様は素早いことだけが取り柄だ。その素早さを活かして先制攻撃して怯ませろ。後は一撃に賭ける」
「……さ、さらりと言いますね…勝てますでしょうか」
「勝つ」
「…トーチを信じます。私がもしやられたとしても絶対に勝って下さい。これは意地です」
「分かった。…『ミウシュ』の元へ、行くぞ!!」
−私は早く自由になりたい−
*****
ミウシュときららがまだ仲間になる前、ミウシュを仲間にするお話
書いてて思ったんだけど1軍って全員ミウシュに弱い件/(^∀^)\
この二人も吹雪やられたら一発で倒れるもんな(;´U`)
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